ベスト4入りした錦織圭に松岡修造は…
2016年9月 8日 09:20
あのマレーを撃破!!!
勝ったぁ〜、やったぁ〜!!!!!
ウインブルドン優勝、オリンピック金メダル、いま最強と言われているあのアンディ・マレー
に勝ったのだ!
<準々決勝> 錦織圭 1‐6,6‐4,4‐6,6‐1,7‐5 アンディ・マレー
この興奮、抑えきれないでいます。
WOWOWでこの試合を解説させてもらったが、センターコートで最後まで諦めずに自分と
戦っている姿を見ていて、最後のゲームはジュニアの頃のあの小さな圭の姿と重なって涙
が止まらなかった。マッチポイントは音を消し、解説ブースで泣き崩れてしまいました。
まずは、マレーのタフさ、そしてプレーヤーとして感謝したい。
何があっても諦めず、圭の完ぺきなテニスを前にしても、「Come On!」「Let’s Go!」と自分を
奮い立たせてプレーするマレー。マレーのガッツが圭を強くしてくれたと思う。
そんなタフなマレーに対し、圭はどうやって勝ったのか。
僕は昨日のコラムに「マレー戦に向けての3つのポイント」あげた。
★サービスエースを狙うな!
★ど〜んと来いっ、マレーのファーストサーブ!
★死に物狂いラリー
これができれば勝てる、本来の圭のテニスが戻ってくると!
ただ・・・
第1セット1−6,2−3まではオリンピックの時と同じ展開。このまま焦って終わってしまうのか、
戦わずして終わってしまうのかっ!そんな雰囲気が漂っていました。
1−6,2−3、完全に追い込まれた圭。
ここで圭は苦しい選択をした!
ここから圭は、この3つのポイントすべてをこなし始めたのだ。僕はこの試合の絶対条件と
して、「無理をしてはいけない」、「早くポイントを奪おうとしてはいけない」と解説で言った。
そう、圭は自分の本当のテニスを抑え、我慢しながら苦しみながらプレーした。
それを何度も継続していくうちにリズムができて、今度は強打をし始める。
そう、まさにゾーン圭になれたのだ。2年前の全米の圭に出会うことができたのです!
第2セットを奪うと、そこからは、シーソーゲーム。
どちらが勝ってもおかしくない試合だった。
死闘を制した圭
とにかくすごいのは、僕らは優勝したかのような歓喜に沸く中、圭自身は話していてもすごく落
ち着いていた。疲れていたのもあるが、「次がある」という雰囲気だった。
勝った時も抑え気味のガッツポーズ、(コーチのマイケルは100倍ガッツポーズ)誰よりも冷静
に次の準決勝を見据えている。
書きたいことが山ほどありますが、読んでいただくのも大変なのでここで筆をおきます。
圭も試合後、疲れ果て、記者会見、またインタビューに来てくれた時もあくびばかりしていた。
僕も違う意味でだしきり解説、あくびを共有した。
準決勝に備えます。
最後に…
全米が始まる前に記者からマレーやジョコビッチと戦うとき、どんな思いで戦うか?という質問
に、「向かっていかないといけない。守って勝てる相手ではない。攻めるという意味ではより強
い気持ちをもたなければいけない。自分を信じることだったり、メンタルを強く持ってとにかく切
りかかっていきたい!宮本武蔵のように」と答えた。
そう、今日の圭はまさに・・・
宮本武蔵・圭!
試合後、WOWOWのスタジオに来てくれた圭。
今日の戦いはまさに宮本武蔵だったね、と言ったら、「はい。強い気持ちで切りかかりました!
逆境に立たされても自分を信じて戦いました!」と笑顔で答えてくれた。
圭の戦いはまだ終わったわけではない。
僕は浮ついている気持ちを抑え、明後日の準決勝でもう一度、戦う圭を解説したい。
まさに「侍・圭」を!